【本・読書】ショーペンハウアー『読書について』~量より質の意味、本を読むことを考える~
こんにちは!きくのすけ(Kikunosuke)です!
最近コロナが急速に広がっていますので、
少し外出の機会を減らそうかなと考えていますが、
皆さま、いかがお過ごしでしょうか。
今回は
『読書について (光文社古典新訳文庫)』(ショーペンハウアー, 鈴木 芳子 著)を紹介し、
本を読むことのメリットについて以前の記事とは違う角度で書きました。
本書の概要
タイトル他
『読書について (光文社古典新訳文庫)』
出版社 : 光文社 (2013/5/14)
発売日 : 2013/5/14
文庫 : 194ページ
著者
著者はドイツ人哲学者のショーペンハウアーさん(1788‐1860)です。
Kindle Unlimitedの対象にもなっています。
概要
本書はショーペンハウアーが1851年に書いた『余録と補遺』のうち、読書に関する部分(「自分の頭で考える」、「著述と文体について」、「読書について」)を訳出したものです。
要旨は
手当たり次第に本を読み、他人の頭で考えてばかりいるのではなく、
時代や地域を超えた良書である古典を読み、自分の頭で考える
というものです。
160年以上前に書かれた内容ですが、
インターネット・SNSなどが普及した現代でも色褪せない内容であり、
非常にお勧めの古典です。
学びポイント
先ほどの概要でも触れましたが、
本書のポイントは「量よりも質」という点かと思います。
本の中で象徴的なフレーズを以下引用します。
どんなにたくさんあっても整理されていない蔵書より、
ほどよい冊数で、きちんと整理されている蔵書のほうが、ずっと役に立つ。
同じことが知識についてもいえる。
いかに大量にかき集めても、自分の頭で考えずに鵜吞みにした知識より、
量はずっと少なくとも、じっくり考え抜いた知識のほうが、はるかに価値がある。
なぜなら、ひとつの真実をほかの真実と突き合わせて、
自分が知っていることをあらゆる方面から総合的に判断してはじめて、
知識を完全に自分のものにし、意のままにできるからだ。
このフレーズをはじめ、「読書について」では
読む本の数やボリュームよりも読む本の中身が大事だと述べています。
上記に対する私自身の考えは賛同出来る面と出来ない面があり、
勿論、量より質のほうが大事だと思いますが、
ある程度量を読まないと、質も上がってこないかなと感じています。
そのうえで「質を上げる=じっくり考え抜く」というのはわかりにくいですが、
じっくり考え抜くテーマは多くの場合、
過去も誰かしらが考えていた可能性が高いという意味で
古典を読むことの利点になるのかなと思っています。
今でも読み継がれる古典はそれだけの理由があるということで
人の本質は昔も今も変わらず、
語り継がれる示唆に富んだ過去の知恵が詰まっていると考えるためです。
例えば、今日のトピックである「本を読むこと」は
ショーペンハウアーが160年以上前に書いている内容ですが、
質が大事というメッセージは現代でも色褪せない内容だと思います。
上記のように自分が感じる疑問の中でも、
過去の人が同じように悩んだり疑問に感じたりしているトピックがありますが、
過去同じように考えた人がどういう頭の整理をし、どういう結論に至ったか
本を読むことで知ることができるので
同じ悩みにどう対処するか、非常に参考になると思います。
現代ではネットで知識レベルは調べられますが、
紹介したフレーズのように、深く自分の頭で考えるには、
本を読むことで背景や過去お経緯をしっかり把握し
自分の中で咀嚼することが大事です。
その観点から、私の場合、
①ネットで大枠の知識を把握する
②解決しないものは、古典や似たトピックの本を2~3冊読んで考えをまとめる
ことをするようになりました。
自分の頭で一度整理すると、人に説明するときも説得力が出るので、
是非参考にして頂ければと思っています。
まとめ
今回、『読書について』から本を読むことについて記事にしました。
「歴史から学ぶ」ではないですが、
同じ人間で自分の悩みや疑問は他の人も同じように悩んだり疑問に感じたりしていることが多いです。
上記の観点からも悩みや疑問の解決に繋がるよう、
本(特に古典)を頼ってみるのは良いかと思っていますので、
本書に限らず本を読む際の参考になれば幸いです。
それでは次回の記事でお会いしましょう!
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